おしぼりと浴衣

高校生の時、学校に内緒で短期のバイトをしようと決意しました。夏休みの短期バイトです。無料のバイト情報をチェックして友達と申し込みました。内緒なので、接客とかは避けて、工場勤務のバイトにしました。

バスで工場に向かう。早朝です。動きやすい格好指定。到着するとだだっ広い工場でたくさんの人が働いていました。ここではおしぼりとか浴衣を洗って選別して、アイロンをあててまた出荷するという作業が行われていました。ベルトコンベアーに付いている人とか、大きなコンテナを動かしている人とか。

私たちバイトチーム数人はある広い場所に連れて行かれました。そこにはコンクリートの上に四角く線が引いてあります。指導員の人が、この線の外に立つように指示します。私たちは作業内容を理解していないというか、説明を受けていないのでボンヤリ立っていました。しばらくすると、ものすごく大きな音が鳴り響き、その四角い線の真上(天井)がパカッと開いて、ドバァーっと熱々のおしぼりが落ちてきました。目が点になる私と友人。指導員はじゃあ、この靴に履き替えて、あの中から汚れが落ちていないおしぼりを除けてください。と言いました。え?このくそ暑い中でも湯気が立ってますけど。あのホカホカおしぼりの山に登るの?とか思いつつも言われた通りにモソモソと作業開始。暑い熱い、暑い、熱いっつーの!しばらく呆然としつつ動いていると、またけたたましい音。指導員「離れて~」どこから離れれば良いの?と思っている内にまたドバァーっと熱々のおしぼりが降ってきました。この繰り返し。地獄です。そして昼休み。ぐったりして会話もない二人。休み時間明け、同じ場所で今度は浴衣が降ってきました。暑さでフラフラの友人は一度熱々の浴衣の下敷きになっていました。地獄絵図でした。

結局このバイトはこの日以降は行きませんでした。働くって大変だなぁ。つくづく体にたたき込まれた一日でした。体重も一日で減っていたことを覚えています。